お知らせ

2013-12-22 07:13:00

村上春樹の最新作の短編「イエスタデイ」(文藝春秋2014年1月号に掲載)に、「氷でできた月の夢」が出てきます。、、、船の丸窓からから見える満月は、その下半分が海に沈んでいて、それは実は厚さが20センチの氷の月で、朝になり太陽が出てくると溶けてしまう月なのだ、、、という夢です。

 

主人公は20歳の頃、友人のガールフレンドから「同じ夢をよく見るの」と、この「氷の月の夢」の話しを聞きます。16年後、偶然彼女と再開した主人公は「今でもまだ氷でできた月の夢をみる?」と彼女にたずね、他人の夢なのによく覚えているのね、と彼女に驚かれると、「夢というのは必要に応じて貸し借りできるものなんだよ、きっと」と答えます。

 

夢は貸し借りできる、、、素敵な言葉ですね。

小説の中で主人公は「当時、自分も毎晩、船の丸窓から氷の月を見る夢を見ていた気がする」と20歳の頃をふりかえります 。

 

夢は貸し借りできる、、、本当にそうかもしれません。

この絵は2013年3月27日に私が描いたパステル画「半月を探しに」です(アートギャラリーに2013年4月から掲載中)。半分海に沈んだ半月を舟の上から見ているこの絵は、私の夢から生まれた物語ですが、小説との偶然の相似に、この夢を村上春樹さんに貸したのかもしれないし、もしかしたら、春樹さんから借りたのかもしれない、、、と、そんな気持ちになりました。

 

この絵を描いた頃、この夢に登場した人物にこの夢の話しをすると、次に会った時その人は半月のお菓子をくれました。彼とも夢の貸し借りをしていた気がします。