お知らせ

2014-01-12 07:14:00

1月11日、渋谷ユーロスペースで映画『ハンナ・アーレント』をみました。ナチス戦犯アイヒマンのイスラエルでの裁判を傍聴し、「利己的な悪」とは違う「凡庸さが引き起こす悪」という考えに辿りついた哲学者ハンナ・アーレントは、その裁判レポートで世間から激しい非難をあびます。彼女自身も収容所から脱出したドイツ系ユダヤ人ですが、彼女の主張に対するユダヤ人からの反発は激しく、何人もの友人を失っていきます。

 

映画の中でハンナ・アーレントが語った「アイヒマンが犯したのは、ユダヤ人に対する罪ではなく、人に対する罪だ」という言葉が心に残りました(言葉は正確でないかもしれません)。「ユダヤ人」への攻撃だという思考から抜け出せない限り、迫害者も被迫害者も同じ構造にはまり自らが内包する悪の可能性について考えることができなくなることに気付かされます

 

今なお世界中にハンナ・アーレントの主張を理解できない人々多くいるだろう中で、これだけの映画を作ったことに賞賛の意を表したくなると同時に、ドイツ・フランス・アメリカで大ヒットし、日本でも上映館が増えていることに嬉しくなります(ユーロスペースでも、この日が初日でした)。日本の問題についても考えさせられるとてもいい映画でした。